ねものや。〜トランペット好きのブログ〜

トランペットがカッコいいジャズや吹奏楽を紹介したり京都や日々のしょーもないことを書きます。

【TDS】『ビッグ・バンド・ビート』セットリストと原曲&解説!

こんにちは。ねものやです。

東京ディズニーシーブロードウェイ・ミュージックシアターにて行われているショー『ビッグ・バンド・ビート』。2016年にリニューアルされましたセットリストを原曲や好きな演奏とともに紹介したいと思います。

もちろん、基本はトランペット目線で。

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It Don't Mean a Thing (If It Ain't Got That Swing)

オープニングは軽快なドラムソロ上のバッキングが印象的ですよね。僕がシーで聴いたときはテンポが落ちてたら戻ったところらへん、HighDでシェイクして長いダウンしてました。惚れた。

この曲はジャズを語る上で外せないピアニストでもあるDuke Ellingtonデューク・エリントン)が自身のビッグバンドで1932年にレコーディングしました。デューク・エリントン楽団といえばハイノートヒッターのCat Andarson(キャット・アンダーソン)ですね!曲を書いたのは1931年の8月にシカゴのレストランらしいです。スウィング時代よりも前ですね。ボーカルはトランペッターでもあるRay Nance(レイ・ナンス)がよく起用されていたらしいです。最初のバイオリンもレイ・ナンスだったり。ファーガソンの演奏もプラスでどうぞ。

 

 

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Night and Day

 続いてはNight and Day(昼も夜も)。いわゆるスタンダード・ナンバー(よく演奏される曲)です。ミュージカル『陽気な離婚』のために書き下ろされた曲です。作曲は、ミュージカルや映画音楽に多くの曲を提供したCole Porterコール・ポーター)。他にもマイルス・デイヴィスが取り上げたAll of Youなど有名な曲を残しています。動画はボーカリストElla Fitzgeraldエラ・フィッツジェラルド)が1956年に歌ったアルバムのものと、神様と名高いMaurice André(モーリス・アンドレ)の録音、ハイノートヒッターのJon Faddis(ジョン・ファディス)のライブです。

ちなみに僕が初めて購入したトランペッターのCDはMaurice Andréのベスト盤で、それに収録されてました。初めて聴いたときはドン引きしました。上手すぎて。

 

 

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Take the 'A' Train

お馴染みの名曲『A列車で行こう』です。これはジャズを全然知らない人でも聴いたことがあるのではないでしょうか。シーでは男性ボーカルが付いてますよね(途中から女性も)。

この曲も1939年にDuke Ellingtonデューク・エリントン)が楽団のピアニストであり作編曲者のWilliam Thomas "Billy" Strayhorn(ウィリアム・トーマス・ビリー・ストレイホーン)にオーダーして作られた曲です。発表は1941年。

名演が多いのでどの動画をチョイスすべきか迷います。先程紹介したフィッツジェラルドのカバーやウィントン・マルサリスの演奏もありますが、今回はドラマーBuddy Rich(バディ・リッチ)楽団+トランペッターHarry James(ハリー・ジェームス)のライブと内堀勝ビッグバンドのレコーディング動画を紹介します。内堀勝ビッグバンドのリードはシャープスフラッツやEMバンドでもお馴染み佐久間勲、ソロはこちらもシャープスフラッツやニューハードでも吹かれている中村恵介。3本目の動画、ハリー・ジェームスはいいぞ。

  

 

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The Lady Is A Tramp

この曲もスタンダード・ナンバーですね。『気まぐれレディ』なんて邦題がついていたりします。東京事変の『その淑女ふしだらにつき』もこの曲です。レディーガガも歌ってるっぽいですね。BBBでは前の曲、Take the 'A' Trainと切れ目なく演奏されています。無難っちゃ無難ですがやっぱりシナトラが好き。フィッツジェラルドのバンドは結構かっこいいです。

 

 

Stompin' at the Savoy

 BBBではサックスのソロでサテン感あるいい雰囲気でさらっと流れますがいい曲なので聴いてください。決してグーフィーの余興じゃないです。

Edgar Sampson(エドガー・サンプソン)が1934年に作曲したスタンダード・ナンバーです。Benny Goodmanベニー・グッドマン)楽団とChick Webb(チック・ウェッブ)オーケストラの2種類の録音が発売されました。ベニー・グッドマンの録音が売れたのでこっちが有名です。3つ目はClifford Brownクリフォード・ブラウン)の録音。

トランペット吹きを知らなくてもクリフォード・ブラウンが好きとか言っとけば玄人ぶれます。

 

 

Jumpin' Jive

グーフィーがノリノリで歌う曲です。Cab Calloway(キャブ・キャロウェイ)のビッグバンドが1939年に録音し、メチャクチャ売れたそうです。コール&レスポンスが楽しい曲ですね。トランペットに帽子を被せたり被せなかったりする奏法は「Hat」といいます。そのままです。

このバンドのトランペットにはビバップを築いた一人であるDizzy Gillespieディジー・ガレスピー)とトランペットにキーホルダーを付けているDoc Cheatham(ドク・チータム)が参加していました。ちなみにガレスピーはキャロウェイと喧嘩をして退団したそうです。(チータムの情報が少なかった…。)

 

 

Bugle Call Rag

BBBでは前曲『Jumpin' Jive』と繋がっています。1922年の最初の録音は『Bugle Call Blues』というタイトルでしたが、その後の演奏や楽譜は”Rag”に変更されました。。ちなみにBugleとは軍人が吹く信号ラッパみたいなものです。有名なのはBenny Goodmanベニー・グッドマン)の録音ですが、有名所のバンドは大概演奏してます。

個人的に好きな演奏はBuddy Rich(バディ・リッチ)のバンドです。イントロがビューグル(トランペット)じゃなくてドラムなんですけどね(録音もまた違う)。ちなみに3本目の動画のドラムもバディ・リッチです。その後のWell Git Itも好きです。

 

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Diga Diga Doo

 グーフィーの後はデイジーダックが歌います。ソロ回しはサックス→トランペットで4小節ずつ。その後のサックスのソリがかっこいいですね。

2004年にシーのウォーターフロントパークで開催されたイベント『ザッツ・ディズニーテイメント』の夜の部(ザッツ・ディズニーテイメント・アフターダーク)の4曲目のメドレーでも演奏されていました。他にもSing Sing SingやTake the 'A' TrainなどBBBで復活した曲もあります。

この曲は『Blackbirds of 1928』というブロードウェイ・ミュージカルの中の1曲です。作曲者はJimmy McHugh(ジミー・マクハフ)。ニューヨークの57番街のLes Ambassadeur Clubのフロアショーとして書かれました。

 

Cheek to Cheek

ピアノから始まり一瞬小休憩。ミッキー&ミニーのダンスを凝視してる人ばかりだと思いますが僕もその一人です。可愛い。

この曲は1935年に「アメリカのシューベルト」ことIrving Berlin(アーヴィング・バーリン)が映画『Top Hat』のために書いた曲です。余談ですが、バーリンは楽譜が読めない書けないどころかピアノも弾けずコードも知らず歌も大して上手くないというとんでもない作曲家です。音楽センスの塊みたいな人だったんでしょうか。そう思うと自分のセンスの無さに絶望。あと最後の動画子供が吹いてるんですが上手すぎて笑いました。

 

Four Brothers

4人のメインボーカリストが「Take a seat and cool It' cause unless you overrule it~」で始まる歌詞をハモりまくって畳み掛けていきます。個人的にトランペットアツいぞポイントが高めです。

 1947年にWoody Herman Orchestra(ウディー・ハーマン・オーケストラ)のためにJimmy Giuffre(ジミー・ジュフリー)が作曲したスタンダード・ナンバーです。サックスセクションのソリ(同じフレーズを吹くこと)のための曲といってもいいんじゃないでしょうか。原曲はテナーサックスが3人とバリトンサックスが1人、BBBのボーカルは4人なのでかけたのかなぁと思ったり。ちなみにManhattan Transfer(マンハッタン・トランスファー)も同じボーカル4人の編成です。

 

Band Introduction(バンドメンバー紹介)

ドラム→ベース→ピアノ→サックス→トロンボーン→トランペットの順番でソロ回し。フレーズはリニューアルして変わりました。その後は

  • All of Me
  • S' Wonderful
  • Bye Bye Blackbird

の3曲の中からランダムで演奏します。

All of Me

 喫茶店でもよく流れているスタンダード・ナンバーです。個人的にはこの曲が流れてくると一番嬉しいです。なぜなら一番最後トランペットがグリッサンドでハイトーンまで駆け上がるから。

1931年にGerald Marks(ジェラルド・マークス)とSeymour Simons(セイモア・シモンズ)の2人が作曲し、その時代の最も録音された歌の1曲になりました。

 

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'S Wonderful

Gershwin(ガーシュウィン)の兄が作詞、弟が作曲した曲です。ガーシュウィンといえばRhapsody in Blueラプソディー・イン・ブルー)やI Got Rythm(アイ・ゴット・リズム)など、テレビやCMやBGMなどとして親しまれています。名前は知らなくても1曲ぐらいは絶対知ってるはず、と言えるぐらい有名です。

この曲は、1927年のブロードウェイ・ミュージカル『Funny Face』のために描き下ろしました。多くのアーティストにレコーディングされ、日本では夏川りみがカバーしたらしいです。当時の流行であった”It's”の”It”を省略する言い回しを使ったので、こんな感じの曲名になりました。

 

 

Bye Bye Blackbird

この曲名を聞いてBeatlesPaul McCartneyポール・マッカートニー)を思い出す人も多いんじゃないでしょうか。有名なのはMiles Davisマイルス・デイヴィス)の演奏。John Coltraneジョン・コルトレーン)と一緒にレコーディングしたものも有名ですね。でも僕はChet Bakerの演奏が好きです。

1926年にRay Henderson(レイ・ヘンダーソン)とMort Dixon(モルト・ディクソン)によって出版されました。この曲はいろいろな解釈があり、黒人を意味しているだとか幸せの青い鳥に対する不幸せの黒い鳥だとか…。

 

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Sing Sing Sing

お待ちかねの曲ですね。もはやこの曲でドラムを叩くミッキーを見に行くためにBBBに行ってる人もいるぐらい人気の曲。タップダンスの後ろで吹いてるクラリネットのソロにも注目してみるときっといいことあります。ディズニーファンの人ならもちろん知っているでしょうが、ディズニーシーのショー、アトモスフィアのひとつの「マリタイムバンド」でも演奏されています。HighAを聴けたアナタはラッキーですね。

さて、この曲は1936年にトランペット奏者兼歌手であったLouis Prima(ルイ・プリマ)によって作曲され、Benny Goodmanベニー・グッドマン)楽団の演奏で一躍有名になりました。ジャングルビートのドラムの上にトランペット、トロンボーン、サックスの各セクションの掛け合いが印象的ですね。ドラマーはジャズドラム史における偉大なドラマーの一人、Gene Krupa(ジーン・クルーパ)。トランペットのソロは僕一押しのHarry James(ハリー・ジェームス)。

 

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いかがでしたか?気づけばちょっとしたレポートの文字数になってました。タグ多すぎてちょっとあれですね。リニューアル前のものは割愛しましたが、いつか追加または記事を書くかもしれないです。

僕からは、この記事を通じてジャズ(トランペット)の世界に触れてもらえればなぁと思います。

 

 

オワリ

 

 

 

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